育児休業給付金


【Note】この文章は2010年5月に書きかけたまま放置していました。しかし追記する時間がないので、途中のまま公開します。

2005年施行の育児・介護休業法によると、休業前の50%という結構な額の保障が受けられるそうだ(内訳は下記のメモを参照のこと)。←実は法律ではもう少し辛い(からい)のかもしれないが、今の私の職場ではこうなっている。
が、その資金の出所は「雇用保険」からなので、産休後に職場復帰できることが必須条件となっている。産休・育休後にすんなり職場復帰できるには、生涯雇用が約束された者に限られている。つまり、それ以外の人には、この有難い制度は何ら意味を持たない。

メモ:育児休業給付金について
雇用保険から出る。よってハローワークへ手続きすることになる。
支給対象期間(1か月)当たり、原則として休業開始時賃金日額×支給日数の40%(当分の間は50%)相当額が受け取れる。
ただし、以下の2条件を満たさなければならない。
1、同一事業主に引き続き1年以上雇用されている
2、子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる

【蛇足】H22.4以前に育児休業を開始した場合は、以下の二つが対象となる。
育児休業給付基本金・・・休業中の各月に休業前の賃金の30%が支給される
育児休業者職場復帰給付金・・・職場復帰して6カ月以上雇用される場合に、休業前賃金の20%に休業月数を乗じた額が職場復帰後に一時金として支給される

# ということは、基本金30%の扱いがなくなったため、復帰雇用が確保できない者にとっては、ますます厳しい状況に変わったということではないだろうか。また、50%→40%へ減るということのようなので、さらに産み育て難い社会へ移行しているようだ。

職場復帰の条件をクリアできず、給付金が受けられない人として派遣社員、研究者などがある。派遣社員は良く知られた例なので、ここでは研究者について述べてみようと思う。
現在の若手研究者は3年〜5年の有期雇用者である。プロジェクトの実施期間(通常3〜5年、短いと1年未満←これは前任者の穴埋めの場合が多い)で雇われ、機関から機関へ渡りを繰り返す。このようなサイクルの元で働く場合、着任後、少なくとも一年間は新しい職場や仕事に一刻も早くなじむことに腐心する。さらにプロジェクトの最終年度は、成果のまとめや次の就職先を探すことに追われ、産休どころの騒ぎではない。最長3年の上限がある派遣社員と状況は何ら変わらない。
派遣という雇用形態は出産を考える女性労働者にとって厳しいという一般的な意見が出来てきていると思うが、それ以外でも同様の事例はたくさんある。実情は酷いものです。

今回は、育児休業給付金について、自分が思ったことをつらつらと書きだしてみたが、弱者への配慮に欠け、過去の典型的な雇用形態のみを想定した、格差助長の制度としか思えない。

いろいろと疑問が湧く。

  • 育児休業給付金の年間の支出総額は?
  • 出産に伴って、職場を去らざるを得なかった人の数は?(積極的、消極的理由を分離不可能だろうけれど)

最後の疑問については、2004年の数値があったのでメモしておく。(家族と法,二宮周平著 p161)
雇用継続している女性の育児休業取得率 72.3%
  〃     男性の   〃    0.5%
第一子出産後離職した女性     67%
# ↑これは、妊娠中に離職した人も含まれるのか?

多様な人材が、次代の子供たちを産み育てることが出来る社会になってほしいと痛切に感じます。
出産後も変わらずバリバリと働きたいと思う女性が、普通に生きていける社会にしたい。
自分も頑張る女性の一人としてよき一例になれるよう精進していきます。